後ろに広がる色
先日、用事を済ませての帰り道。
電車に揺られながらぼーっと窓の外を眺める。
時刻は7時頃だが外はまだまだ明るい。
すっかり夏になった。
電車は河を渡る。
窓の外には夕陽を浴びた河川敷で思い思いの時間を過ごす人々。
とても平和な時間が流れている。
最寄りの駅で降り、お腹も空いてるしさっさと帰ろうかとも思ったが足は家の方向とは逆の改札に向かう。
車窓から見えた景色を羨ましく思っていた僕は、遠回りになるが体の赴くまま河川敷を通って帰ることにした。

涼しい風を浴びながら河川敷を歩いて帰る。
スポーツをする人、散歩をする人、ラジコンをする人、いろんな人とすれ違う。
こっちを選んで正解だったな、なんて考えたり今日あった嬉しいことを思い出したりしながらカメラを片手に歩く。
しばらく歩き、河川敷から抜けて住宅街の方に入る。
目の前には同じように家路に着く人々。
車の往来も多く、河川敷の穏やかな空気とはまた違った夕方の景色に身を溶かす。
そんな中ふと後ろを振り返ってみると、僕の後ろには真っ赤に燃える空が広がっていた。
僕だけでなく、周りの人々もその空に魅了されていた。
1日の終わりを告げる美しい空。
僕の後ろには真っ赤に燃える空が広がっていた。


すっかり辺りは暗くなり、燃えるような空はだんだんと陰っていく。
家の近所まで来て、人々の生活の匂いがしてくる。
生活の入れ物をシルエットに残り火を燃やす、美しい空をファインダー越しに眺める。
